ドイツ機に中国軍艦がレーザー照射 中国大使呼び抗議

25年7月9日8 ドイツの国際公共放送ドイチェ・ベレ(DW)によると、ドイツ政府は8日(火曜日)、紅海上空を偵察飛行中のドイツ機が中国軍艦からレーザー照射を受けたとして、ドイツ駐在の鄧洪波・中国大使を呼んで抗議した。事件は7月初旬に発生し、欧州連合(EU)が2024年2月から展開する紅海の航行の安全を確保するための軍事作戦「アスピデス作戦」に参加中のドイツの民間チャーター機が標的となった。搭乗していたのは民間パイロットと4名のドイツ連邦軍兵士で、機体は東アフリカのジブチを拠点に運用されていた。

事前連絡なしのレーザー照射を非難

 中国艦は緊急通信を行わずにレーザーを照射し、ドイツ国防省は「事前連絡も正当な理由もなく搭乗員と機材を危険にさらした」と非難した。軍事上レーザー照射は威嚇行為と見なされ、ドイツ外務省は「X(旧Twitter)」上で「完全に受け入れられない」と表明した。事件発生後、ドイツ機は任務を中断してジブチ基地に帰還し、7月初旬時点で搭乗員に負傷者は報告されていない。

中国海軍の紅海での活動背景
 中国海軍も紅海で各国商船を海賊から守る護衛活動を行っており、2008年からアデン湾やソマリア沖で護衛任務を開始、2017年にはジブチに「保障基地」と呼ぶ初の海外軍事基地を正式に開設した。中国軍艦はこれまでも同海域にたびたび出現していたが、今回のようにレーザーを照射した事例は初めて。
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