金投資会社が返金停止 抗議の投資家、警察が包囲 浙江

 25年6月20日金中国浙江省杭州市に本社を置く金投資サービス企業「浙江永坤控股有限公司(永坤黄金)」が今年5月以降、実店舗とオンラインモール「永坤商城」で金の引き渡しや返金を停止した。複数の省から集まった数十人の投資家が18日、杭州市政府前で抗議活動を行ったが、警察が包囲し、少なくとも1人を拘束した。他の投資家は、行政機関の陳情窓口に誘導された。既に杭州市上城区の公安当局は捜査に着手しており、事態の全容解明が進められている。中国メディアの毎日経済新聞などが伝えた。

 問題の根幹は、永坤黄金が展開していた「黄金托管(カストディ)」モデルにある。購入した金を実際に手元に置かず、一定期間(最長365日)預けることで年利7~8%の利益が得られるとされ、価格が上昇すれば差益を得て売却、下落すれば「全額返金」が可能としていた。

 また、金購入時に「保険付きと」と言われ、災害や事故に備えていると投資家に信じ込ませていた。しかし、保険内容は火災・爆発・落雷・飛行物体落下に限られ、経営破綻や購入した金の引き取りができない事態には一切適用されないことが判明した。

 投資家の中には40万元(約808万円)から70万元を超える金額を投入した者もおり、被害は広範に及んでいる。陸さん(仮名)は、杭州の永坤加盟店で購入した金を再び永坤側に貸し出す「転貸契約」により毎年利息を得ていたが、2025年5月以降、店側からは「本部と連絡中」とだけ告げられ、引き渡し・返金は停止された。別の投資家によると、家族で計1230万元を投資していたケースもあった。

 永坤控股は2014年に汪国海氏が設立し、杭州や山東、福建などに50店舗以上を展開。登録資本金は1億2000万元とされていた。宣伝では「中国黄金協会理事会員」「上海黄金交易所協力会社」などを称し信頼を集めた。

 永坤黄金が保険に加入していたとされる金は、2024年時点で総量5359キロ、評価額にして約41億元にのぼるとされているが、実際に保険金が支払われるかどうかについて、保険会社側(紫金財険、中国人保、太平保険、華泰保険)は明確な回答をしていない。

◇出典
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1833444960197517747&wfr=spider&for=pc
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1833621497873543317&wfr=spider&for=pc
https://www.cna.com.tw/news/acn/202506190181.aspx

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