中国各地で賃金支払い求める抗議活動 背景に財政難

 25年5月23日賃金中国各地で5月中旬以降、建設作業員や教員、清掃員、医療従事者らが、賃金未払いに対する集団抗議を起こしている。米放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が21日に報じたもので、背景には地方財政の悪化と中央の財政引き締めがあるとされる。

 河北省石家荘市では、中国交通建設集団の現場工事現場で18日、作業員が横断幕を掲げて抗議。広東省の陽信高速道路の建設現場では、建設会社、中鉄七局集団の労働者が19日、賃金の支払いを求めて集結した。広西チワン族自治区南寧市では、送電設備建設工事会社、広西送変電建設の本社前では、賃金支払いを求める労働者30人余りが16日からテントを設置して居座り、長期戦の構えを見せている。 

 建設業だけでなく、教師や医師、看護師らへの賃金未払いも深刻化している。山東省では契約外教員の給与が半年にわたり滞っており、山西省では教師が、過去に支給された年末賞与や手当ての返還を求められるケースも出ている。甘粛省では公立病院の看護師は月給がわずか1300元(約2万6000円)で、賞与も4カ月間支払われず生活困窮に陥っている。

 中国のある大学の退職教員は「中国の地方債務の膨張と中央政府による政策引き締めが、基層財政に重大な影響を与えており、その最も直接的な被害者が第一線の労働者や契約職員だ」と指摘。「かつて賃金を求めて抗議したのは農民工だったが、いまは教師、医師、清掃員がその中心となっており、中国の体制を支える『安定構造』がついに自壊を始めている」と語っている。

◇出典

https://www.cna.com.tw/news/acn/202505220215.aspx

https://www.rfa.org/mandarin/shehui/2025/05/21/china-protest-rural-area-back-wages-illegalchares/
タイトルとURLをコピーしました