地震で倒壊のタイのビル、中国ゼネコンが建設

25年3月31日タイのビル 台湾の中央通信社によると、ミャンマーで28日、中部を震源とするマグニチュード(M)7.7の地震が発生し、タイ・バンコクで建設中のビルが倒壊した。中国メディア財新網は、このビルの建設業者の一つが中国国有ゼネコン、中鉄十局集団(山東省済南市)の子会社であると報じている。中国の建築物の品質に対し疑念が再燃している。(写真は事件を伝える星島日報のサイト)

 香港星島日報によると、倒壊したのはタイの政府機関のビルで、事故当時、建物はすでにカーテンウォールの取り付け段階に入っていた。ネット上には「上棟式完了」を意味する赤い布が掲げられた建物の写真が拡散している。上棟式は昨年4月に行われた。

 財新網によると、これは中鉄十局が手がける初の海外超高層ビルで33階建て。地震で全体が倒壊した。3月31日までに5人が死亡、9人が負傷したほか、少なくとも81人が行方不明となっている。

 このビルに関し、中鉄十局はインターネット上で「タイにおける当社のシンボルとなるプロジェクト」と称して大々的に宣伝していたが、地震で倒壊後、関連情報はネット上から削除されている。

 中央通信社によれば、過去10年間、中国による海外建設プロジェクトは繰り返し品質が問題視されてきた。米ウォール・ストリート・ジャーナルなど海外メディアの報道によれば、中国の「一帯一路」関連のインフラ事業は、安全性に疑念が持たれているケースが少なくない。

 例えばエクアドルのコカコド・シンクレ水力発電所は、同国史上最大規模のインフラ事業として、中国水利水電建設集団が請け負い、27億米ドルを投じて2016年に完成した。しかし、2023年にはすでに数千カ所の亀裂が発見されて、修復しても新たな亀裂が発生し続けている。地元の技術者はダムの崩壊を懸念している。現在も設計上の欠陥に関する国際仲裁が行われている。

◇参考情報

https://www.cna.com.tw/news/acn/202503290152.aspx

https://std.stheadline.com/realtime/article/2060820/%E5%8D%B3%E6%99%82-%E4%B8%AD%E5%9C%8B-%E7%B7%AC%E7%94%B8%E5%9C%B0%E9%9C%87%EF%B8%B1%E6%9B%BC%E8%B0%B7%E8%88%88%E5%BB%BA%E4%B8%AD%E5%A4%A7%E6%A8%93%E5%80%92%E5%A1%8C5%E4%BA%BA%E6%AD%BB%E4%BA%A1117%E4%BA%BA%E5%A4%B1%E8%B9%A4-%E4%B8%AD%E5%9C%8B%E4%B8%AD%E9%90%B5%E5%8D%81%E5%B1%80%E6%89%BF%E5%BB%BA
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