「国家監察法」は基本的人権の脅威、国際人権NGOが警告

 国際人権NGOのアムネスティ・インターナショナルは20日、先に全国人民代表大会(全人代=国会)で成立した「国家監察法」ついて、権力の乱用を許し、基本的人権への深刻な脅威になると警告するリポートを発表した。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

 

 リポートによると、同法の執行機関である国家監察委員会の発足は、司法機関の消滅を意味する。司法機関同等の機能を持つが、チェック・アンド・バランスのシステムがない。同委員会の委員長は任意に、長期間にわたり被疑者を監禁できるが、他機関の監督を受けないため、残酷な刑罰や自白強要の恐れがある。

 

 新制度は、中国共産党中央規律検査委員会が指定した日時・場所に党員被疑者を取り調べる、従来の「双規」制度に替わるもの。国家監察委員会は中央規律検査委員会よりさらに大きな権限を持ち、裁判官、議員、学者、国有企業管理者ら公職者に対し任意の取り調べが可能となる。

 

 新設の「留置」制度は、当局に自由に拘束、取り調べ、証拠収集などを行える権限を与え、外部のチェックを受けることはない。「調査に障害がある」と判断すれば、勤務先や家族に知らせることなく、最長6カ月にわたる拘束が可能だ。

 
 
 リポートは、国家監察法が掲げる汚職取り締まりの透明性を高め、責任の所在を明確化するとの原則と裏腹に、人権への深刻な脅威になると結論づけた。

★参考情報★

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