中国各地がインフルエンザの流行季を迎える中、タミフルなど治療薬や解熱剤の買いだめが起きており、北京市の各薬店で品切れが相次いでいることが10日までに分かった。10日付北京青年報などが伝えた。
同紙の調べでも、北京市内の薬店十数店、有名な解熱鎮痛剤「タイレノール」(アセトアミノフェン)が品切れ。薬店の販売状況を知らせるスマートフォンのアプリでも「在庫なし」の表示が並んだ。アプリの管理者によると、タイレノールの昨年12月の販売量は前年の5倍に増えており、北京では既に在庫がない。
インフルエンザ治療薬「タミフル」(オセルタミビルリン酸塩)も、カプセル、顆粒ともに北京市内の十数店で品切れ。薬店によると、インフルエンザの流行とともに販売が急増し、工場の生産が間に合わないため、各地で在庫がなくなっている。
子どもの発病に備えて父母らが買いだめをしていることが、薬店での品切れの一因。うちタミフルは病院の処方せん医薬品で、市中への供給が少ないことも品不足の原因となっている。
北京朝陽病院の谷麗医師は「タミフルは間違った使い方をすると危険があるので、買いだめには賛成できない。医師の指導に従い合理的に服用するべきだ」と述べた。