世界人権デーの10日、北京市大興区や朝陽区で1千人が参加し出稼ぎ労働者ら「低レベル人口」の強制退去に抗議するデモが行われた。香港のニュースサイト、東網などが10日伝えた。 参加者は「暴力的な追い出し」「人権侵害」などと書かれた紙片を持つなどし、スローガンを叫んだ。一部参加者は警察官ともみ合いになり連行された。
北京市南東部の大興区西紅門鎮で11月18日にアパートが焼け、27人が死傷した事件を受け、市当局が大興区や朝陽区など違法建築の商店やアパートの撤去と「低レベル人口」と呼ばれる出稼ぎ労働者ら住民の強制退去に乗り出した。水や電気の供給を止めるなどの手段が取られ数千人が住居を失い、一部は路上で野宿している。
北京市大興区の火災があったアパートは工場や事務所を改造した違法建築で、地下室まで貸し出され、約200人が済んでいた。避難路もなく多数の死傷者が出た。市当局は安全対策のためとして違法建築の一斉撤去を始めた。「低レベル人口」の言葉に批判が出ているが、市当局はこのような言い方はしていないと否定している。