大気汚染対策のため中国の複数都市で今年、集中暖房の燃料について石炭から天然ガスへの切り替えが強行されたところ、河北、陝西、山西などの各省で天然ガス不足が発生し、厳寒期にもかかわらず一部で暖房が止まった。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が5日伝えた。
4日付証券時報によると、今年9月から華北、華東地区で天然ガス不足が発生。石油・天然ガス元売りの中国石油天然気集団(CNPC)が河南、山東、山西、陝西、内モンゴルで天然ガスの供給を制限。各地のガス会社が輪番式に供給を止めたため、暖房が止まる地域が出てきた。
住民からは「庶民を無視した政策強行」との批判が噴出。「社会不安の原因になる」との指摘も出た。中国政府系紙「環球時報」も「石炭から天然ガスへの切り替えは理由があるが、冬に大衆を凍えさせる理由は1つもない」と地方政府を批判する社説を掲載した。