北朝鮮行きツアー禁止、米大統領訪中で制裁強化アピールか

 トランプ米大統領の8日からの訪中に合わせ、北朝鮮との国境に近い遼寧省丹東市観光局が、市内の旅行会社に対し、平壌などに向かう北朝鮮ツアーの中止を命じたことが分かった。北朝鮮に対する制裁強化の姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。世界新聞網が8日伝えた。

 旅行会社は、国境を流れる鴨緑江対岸の新義州を巡る1日観光を除き、平壌など北朝鮮の他都市へのツアーを禁止するよう通知を受けた。

 旅行会社の従業員は「突然通知を受けたので何も準備していなかった。業務への影響は大きい」と話している。同観光局は中止の理由を説明しなかったが、業界関係者は北朝鮮への制裁強化と関係があり、トランプ大統領の訪中が終われば再び解禁されるとみている。

 トランプ大統領の中国滞在中に行われる習近平国家主席との会談で、北朝鮮の核・ミサイル問題が主要議題になるとみられる。米国は中国に対し北朝鮮への圧力強化を求めてきた。

 国連が昨年末に制裁を強化して以来、北朝鮮の主な外貨獲得源である石炭、海産物、紡織品の輸出が制限を受けた。観光は北朝鮮の外貨獲得で残された数少ないルートの1つとなっている。
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