国家食品薬品監督管理局は3日、効果が劣る低品質の「百日せき、ジフテリア、破傷風」の3種混合ワクチン65万本が市場に流入していたことを傘下各機関に通知した。問題は今年8月までに発覚したとみられるが、10月27日の中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)の終了後、ようやく公表された。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が5日伝えた。
山東省の当局者によると、通知によるとワクチンは百日せきの予防効果が極めて低かった。当局者は「効果がないだけで、安全性に問題はない」と話している。国家衛生計画生育委員会がワクチンの有効性について検証を進めている。
低品質のワクチン65万本は、は吉林省長春市と湖北省武漢市の製薬会社が製造。うち25本は長春市の会社が製造して山東省の疾病対策予防センターに納入。残りは武漢市の会社が作り、重慶市と河北省の同センターに納入した。通知は、65万本のうち実際に何本が使われたのか明らかにしていない。
中国では低品質のワクチンが流通する問題が頻発し、当局の管理態勢に懸念の声が挙がっている。16年には、山東省済南市の元薬剤師の女が、適切に保管されていないワクチンを20数省・市の医療機関に売りさばく事件が起きた。