スリランカ政府はこのほど、南部の都市ハンバントタに建設予定の同国最大の石油精製所建設事業の入札について、中国企業単独での参加を禁止し、スリランカ企業との合弁事業とするよう求めた。ロイター通信を引用し米公共放送ボイス・オブ・アメリカ中国語版が5日伝えた。
中国はハンバントタで港湾の運営権を握っているほか、工業団地と投資額30億米ドルの石油精製所建設を計画。石油精製所の建設事業は、中国石油天然気集団公司(ペトロチャイナ)の傘下企業と、山東省の民間石油精製会社が入札参加を予定している。
スリランカ政府報道官は、同通信に「中国企業がスリランカで石油精製所を建設し製品を販売しようとしていたが、政府が許可しなかった。わが国で販売を行いたいのであれば、地元企業と合弁で入札するよう求めた」と話している。
政府関係者によると、スリランカ政府は自国石油市場を中国企業に支配されることを嫌っている。
スリランカは、中東のタンカーが中国に向かう際の海路上にある。中国はエネルギー輸送の安全確保を目的にスリランカへの投資に熱心に取り組んでいる。