アステラス製薬幹部の有罪判決 自白引き換えに減刑か

 25年7月22日製薬スパイ罪に問われたアステラス製薬の60代の日本人男性幹部に、北京市第二中級人民法院(裁判所)が16日、スパイ罪で懲役3年6カ月の実刑判決を下したことについて、中国当局は取り調べの過程で「自白すれば処罰を軽くする」と繰り返し伝え、最終的に幹部が容疑を認めたことが分かった。台湾の中央通信社が共同通信の情報として伝えた。 

 日中関係筋によると、裁判所は、男性幹部が「情報機関の委託を受けて」中国国内の情勢に関する情報を提供し、「報酬を受け取っていた」と認定したという。

 判決は、男性幹部の行動を「スパイ活動」と断定したものの、具体的なスパイ行為の内容や、報酬を支払った情報機関がどの国のどの組織であるかについては明らかにしなかった。
 同事件の控訴期限は7月下旬とされているが、男性幹部は判決を不服として控訴する意思はないという。

 男性幹部は60代で、アステラス製薬に長年勤務し、中国に駐在していた。2023年3月、社内の人事異動に伴い日本への帰国を予定していたが、その直前に北京市内で中国の国家安全省がスパイ容疑で拘束。24年8月にはスパイ罪で正式に起訴した。
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