甘粛幼稚園の鉛中毒 住民は企業の環境汚染疑う

25年7月11日鉛 中国甘粛省天水市の「褐石培心幼稚園」で、子ども233人の血液から鉛が基準を超えて検出される事件が発覚した。公式発表では「調理スタッフが食用不可の工芸用の絵の具を食品に添加したため」と説明されているが、不自然との声が挙がっている。台湾の中央通信社が伝えた。 

 当局の8日の発表では、幼稚園の食品のうち、蒸し菓子やソーセージパンの鉛含有量が国家安全基準の2000倍に達していた。幼稚園の近くには、非鉄金属の加工会社、白銀有色集団(甘粛省白銀市)の施設があり、企業による環境汚染が今回の鉛中毒事件の原因との見方が出ている。

 当局によれば、同幼稚園の幼児251人のうち、233人が血中鉛濃度異常を示し、18人は正常だった。幼稚園の園長や出資者を含む8人が拘束された。

 事件は当局の調査結果公表をもって収束したわけではない。ネット上では主に「見た目を良くするために着色したのなら、なぜ安価で無臭の食用色素を使わず、より高価で刺激臭のある絵の具を選んだのか」といった疑問が噴出している。

 幼稚園の近くには、白銀有色集団が経営する亜鉛鉱山の中継所がある。鉛中毒が企業による環境汚染が原因であれば、被害はこの幼稚園だけにとどまらない恐れがある。

 事件の発端は、園児たちに吐き気、下痢、脚の痛み、腹痛、脱毛、注意散漫などの症状が現れたこと。しかし、甘粛省天水市内の病院と、隣の陝西省西安市の病院での血中鉛検査結果に大きな差があり、最終的に多くの保護者が子どもを連れて西安まで診察を受けに行った。

 中国メディアの華商報によると、2006年にも天水市麦積区甘泉鎮呉家河村で住民200人以上が深刻な鉛中毒と診断され、地元の二つの化学工場が汚染源とみなされた。当時も今回同様、天水市内の検査機関では環境や子どもの尿中鉛濃度が「正常」とされ、蘭州市の検査結果とは大きく食い違っていた。

◇出典
 
https://www.cna.com.tw/news/acn/202507100279.aspx

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