
香港紙サウスチャイナ・モーニングポストは先週、政府関係者の話として、中国はブラジル側に「日程の都合で」習氏の欠席を伝えたほか、過去1年にブラジルのルラ大統領と頻繁に会談してきたことも理由の一つだと伝えていた。
習近平はこれまで新型コロナウイルス禍でも欠席したことがなく、今回の決定は注目を集めている。ブルームバーグは、ルラ大統領がインドのモディ首相を首脳会議後の国賓晩餐会に招いたことが、中国の決定に影響した可能性を指摘している。習近平氏が「主賓」の立場を失うため、北中国に対する「無礼」と受け取られたという。
ブラジルが「一帯一路」になかなか参加しないことに習近平氏に不満を抱いており、開催国への「顔」を立てない姿勢を取ったともされる。ロシアや南アフリカなど他のBRICS諸国と異なり、ブラジルは中国主導のこの世界的インフラ・流通プロジェクトへの参加に慎重な姿勢を続けている。
ロシア政府も、ロシアのプーチン大統領がブラジルには赴かず、オンラインで出席すると表明している。国際刑事裁判所(ICC)がプーチンに逮捕状を出しており、ブラジルに行けば理論上は逮捕されるリスクがあるため。