中国レアアース最大手で幹部相次ぎ退職

 中国政府がレアアースの輸出規制を通じ欧米と対立を深める中、最大手の中国稀土集団の上場子会社「中国稀土」では今年に入り経営幹部の相次ぐ辞任が報じられている。複数の幹部が海外のレアアース研究機関に引き抜かれ、集団で退職したとの見方も出ているが、中国国内メディアは、同集団の声明として「正常な人事異動だ」とする説明を伝えている。台湾の中央通信社が伝えた。

 レアアースは、近年の米中対立の焦点の一つ。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、中国商務省は国内のレアアース関連企業に対し、専門技術を持つ従業員リストの提出を求め、一部の専門家にはパスポートの返納を要求するなど、機密漏洩を防止する措置を取っている。

 「中国稀土」の経営層で今年に入り大幅な人事の動きがあった。今月に入ってからも、総経理1人、副総経理1人、取締役3人が相次いで「業務上の理由」で辞任。うち前総経理は辞任後も会社の共産党党委員会書記、取締役などを続けているが、取締役を退任した3人は会社を離れた。

 中国稀土集団は2021年、江西省カン(章の右に夂と貢)州州市で設立。中国国務院の国有資産監督管理委員会(国資委)が直接管理する中央企業で、中国稀土はその中核的な上場プラットフォーム。レアアース鉱石や酸化物などの生産・販売、関連技術の研究開発・加工などを主な事業としている。

◇出典
https://www.cna.com.tw/news/acn/202506300199.aspx

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