中国の長距離爆撃機、西沙諸島に着離陸 米比に誇示か

 25年5月30日爆撃機中国空軍の轟-6長距離爆撃機2機が5月中旬、南シナ海の西沙諸島・永興島に着陸したことが、マクサー・テクノロジーズの衛星画像で確認された。画像は5月19日に撮影されており、同島の滑走路には轟-6のほか、運-20輸送機2機と空警-500早期警戒機1機も駐機していた。轟-6が西沙諸島に着陸したのは2020年以来初めてとされる。台湾の中央通信社がロイター通信などの外電情報として伝えた。

 軍事専門家によると、轟-6は中国本土からの作戦行動が可能で、西沙諸島に配備する必要はない。中国が爆撃機を展開したのは、米国やフィリピンなどへの「軍事力の誇示」であり、南シナ海における主権主張の一環とみられる。特にフィリピンとの関係が緊張し、中国が台湾周辺で軍事活動を活発化させる中での展開は、広範な戦略的意図を示す動きと受け止められている。

 シンガポール・南洋工科大ラジャラトナム国際関係学院(RSIS、シンガポール)の研究員コリン・コー氏は「この動きは、フィリピンや米国、さらにはシンガポールで毎年開催されるアジア太平洋地域最大級の安全保障会議、シャングリラ会議を控え、国際社会に対し全方位的なシグナルを送ったものだ」と指摘した。

◇出典

https://www.cna.com.tw/news/acn/202505290287.aspx
https://def.ltn.com.tw/article/breakingnews/5057827
 
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