米中の新冷戦、休戦の裏で激化 中国は経済自立強化

25年5月22日米中 米中の関税協議が一時的な合意に達し、貿易の流れは回復しつつあるが、両国の根本的な対立構造は変わらず、「新冷戦」は続いている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、米中が冷戦期の米ソのように同盟国やパートナーをめぐって熾烈に競い合っているとし、この状況下で中国は急速に経済的自立を強化していると報じた。

 中国では先週、国務院主導で「国内大循環」の強化をテーマとする会議が開催された。中国が国外への依存を減らし、国内生産と消費を重視する方針を強める動きであり、「経済的自立」に明確に舵を切ったことを意味する。習近平国家主席は、たとえ米中関係が一時的に安定しても、根本的な改善は望めないと見ており、李強首相も「外部の不確実性」に備えて、内需主導の経済構造への転換を強調した。

 一方、米国側も中東を巡る影響力の争いで動きを強めている。ドナルド・トランプ前大統領はサウジアラビアやアラブ首長国連邦を訪問し、中国に対抗する姿勢を明確にした。また、米半導体大手が中東諸国への人工知能(AI)チップ輸出契約を結び、バイデン政権下での輸出制限も一部撤廃された。米政権内では、湾岸諸国が米国製チップを得られなければ中国に傾くとの懸念がある一方で、米国家安全保障関係者は中東から中国への先端技術の流出を警戒している。

 記事は、かつての米ソ対立と異なり、米中の新冷戦はミサイルや核ではなく、先端技術と経済力をめぐる長期戦になると結論づけている。

◇出典

https://www.cna.com.tw/news/acn/202505210340.aspx

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