四川大が日本人考古学者の招へい中止 世論の反発で

 25年5月21日考古学中国の四川大学(四川省成都市)が日本の考古学者で九州大学名誉教授の宮本一夫(67)氏を常勤客員教授として採用すると発表したが、中国国内のSNS上で激しい反発を受け、5月中旬に採用通知を撤回、関連情報も大学公式サイトから削除した。発表は四川大学歴史文化学院が今月初めに行い、米芸術科学アカデミー(AAAS)の会員でもある宮本を人文学分野の「特別招へい教授」として迎えるとしていた。台湾の中央通信社などが伝えた。

 今回の常勤客員教授への採用発表後、中国のSNSでは「中国考古に小日本は不要」、「日本のスパイを大学に入れるのか」といった反日的な批判が相次ぎ、短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」では関連ワードが検索上位に浮上した。特に四川省は日中戦争期に甚大な人的被害を受けた地域であり、「烈士の血を無駄にするな」との感情的な反発が強まった。こうした「愛国」的言説の一方で、「四川大に受からない者が批判するな」と反対派を嘲笑する意見も多数見られ、ネット上では激しい論争が続いた。

 宮本氏は、日本考古学界の権威で、「浜田青陵賞」を受賞し、日本考古学協会の副会長も務める。2021年には中国教育省の「長江学者奨励計画」に選出され、四川大学に招聘(しょうへい)された実績がある。研究分野はアジア東部の先史から初期鉄器時代にかけてで、ユーラシア大陸東部、東北アジア、北方草原地帯などを対象に、モンゴルや四川省、日本各地で考古学調査を主導してきた。

◇出典

https://www.stheadline.com/realtime-china/3457207/%E4%B8%8D%E6%95%B5%E4%BB%87%E6%97%A5%E8%81%B2%E6%B5%AA-%E5%9B%9B%E5%B7%9D%E5%A4%A7%E5%AD%B8%E5%8F%96%E6%B6%88%E8%81%98%E7%94%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%80%83%E5%8F%A4%E6%AC%8A%E5%A8%81

https://www.cna.com.tw/news/acn/202505200165.aspx

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