習近平氏はコロナ禍以来最大の試練直面 NYTが見方

25年4月14日関税戦争 関税をめぐる米中対立がエスカレートする中、米紙ニューヨーク・タイムズは、中国の習近平国家主席が新型コロナウイルス禍流行以来、最大の試練に直面していると報じた。長期化する貿易戦争が、中国経済の困難を一層深刻化させるとの懸念があるにもかかわらず、中国は報復措置を強化し、米国からの輸入品に対する関税を125%に引き上げた。台湾の中央通信社が伝えた。

 習首席は強硬な姿勢で知られ、コロナ禍の際は、現実性を失っていた厳格な防疫政策を長期間維持したり、低価格な中国製品の流入に対する、貿易相手国の懸念を無視したりしながら、中国を電気自動車(EV)や太陽光発電パネルの分野で世界的リーダーに押し上げようとしてきた。

 アメリカン大学の中国問題専門家・ジョセフ・トリギアン氏は「習氏は、中国の政治体制は米国よりも優れており、より強い結束力と規律があると信じているはずだ。中国国民は民族の復興という偉業のために犠牲を払うと考えているだろう」と述べた。

 習近平氏は2018年に国家主席の任期制限を撤廃しており、選挙を気にせず長期政権を維持できる。トランプ米大統領は2029年までに退任する必要がある。報道ではまた、トランプ氏が中国以外の国への関税措置を見送った点が、習近平氏の「米国は中国に敵意を持っている」という主張を補強する材料になっていると指摘されている。

 ミドルベリー大学の政治学者・ジェシカ・ティーツ氏は「この状況は、習近平氏が中国経済の低成長に対する責任を回避する『免罪符』になり得る。国民やビジネス界は、責任を外部要因に求めるだろう」と分析する。
 習近平氏にとっての本当の試練は、共産党が貿易戦争による経済的痛みに国民の支持を得ながら対応できるかどうかにあると記事は締めくくっている。

◇出典

https://www.cna.com.tw/news/acn/202504120036.aspx
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