中国が海底ケーブルカッター開発 通信網破壊可能に

 25年3月27日海底ケーブル香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストはこのほど、最も強固な通信と電力用の水中ケーブルを、最大深度4000メートルの海底で切断可能な「深海ケーブルカッター」を中国の科学者が発表した報じた。中国は世界の通信ネットワークを破壊する能力を手にし、世界各国の海洋戦略に影響を与える可能性がある。ドイツの国際公共放送ドイチェ・ベレ(DW)が同紙の情報として伝えた。(写真は事件を伝えるDWのサイト)

 この装置は、中国船舶科学研究センター(CSSRC)と傘下の国家深海有人潜水器国家重点実験室が開発した。外装が鋼、ゴム、ポリマーで覆われた「アーマードケーブル(装甲ケーブル)」の切断に使用される。これらのケーブルは世界のデータ通信の95%を支えている。

 開発者の説明だと、この装置は地上試験で直径60ミリのケーブル切断に成功しており、今後は中国の先進的な有人、無人潜水艇への搭載が可能だという。

 同紙によれば、この装置はもともと、サルベージや海底採鉱など民間用途を目的として開発されたが、軍事転用が可能で、他国に警戒感を抱かせる恐れがある。独メディアのT-onlineも「こうした技術は往々にして軍事転用が可能である」と伝えた。

 科学技術系サイトによれば、米軍は太平洋のグアム島近海に重要なデータ通信ハブを持ち、10本以上の光ファイバーケーブルを敷設している。米軍の「第二列島線」戦略の要でもあり、米軍やグーグルなど商用ユーザーが利用している。同紙も「この装置がグアムのような戦略的要衝近くで使われれば、地政学的危機の中で世界の通信が著しく不安定化する可能性がある」と警告した。

 各国の懸念は根拠があり、昨年11月17日にスウェーデンのゴットランド島とリトアニアを結ぶ通信用海底ケーブルが損傷。翌日にはヘルシンキとドイツのロストック港を結ぶ通信用海底ケーブルが切断された。いずれも中国籍船「伊鵬三号」が関与したと疑われている。

◇出典

https://www.dw.com/zh/%E5%AA%92%E4%BD%93%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%BC%80%E5%8F%91%E5%87%BA%E6%B7%B1%E6%B5%B7%E7%94%B5%E7%BC%86%E5%88%87%E5%89%B2%E5%99%A8/a-72011938
◇参考情報
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