
ドイツのメディア「南ドイツ新聞」や「ツァイト」によると、BNDの見解は公開データの分析と、コードネーム「Saaremaa」と名付けられた諜報活動で得られた情報に基づいている。情報の中には中国の研究機関、武漢ウイルス研究所のデータが含まれていた。
報道によると、これらの情報には、自然界のウイルスを人工的に改変する「機能獲得」実験に関する情報だけでなく、実験室の安全規則違反の事例が多数含まれていた。情報機関は「実験室流出説」の可能性を80%から95%と評価した。
ドイツ連邦情報局は2020年、メルケル政権にこの調査結果を報告したが、当時の首相府はこの敏感な評価を公表しないことを決めた。ショルツ政権発足後も、連邦情報局は同様の報告を行ったが、首相府は関連機関や世界保健機関(WHO)には通知しなかった。
首相府は2024年末、ロベルト・コッホ研究所(RKI)の所長ラース・シャーデ氏や、ベルリン・シャリテ医科大学のウイルス学者クリスティアン・ドロステン氏ら複数の科学者に、BNDの評価を精査するよう委託した。この審査は現在も継続している。
ツァイトによれば、メルケル政権当時の国際情勢において、新型コロナウイルスの起源を巡る議論は高度に政治化されており、米中対立の道具として利用されていた。政権はドイツが不必要な外交摩擦に巻き込まれることを避けたかったとみられる。
米中央情報局(CIA)は今年1月、「確信度は低いが」新型コロナウイルスが実験室から流出した可能性を指摘した。CIAはそれまで「ウイルスの起源は特定できない」としていた。南ドイツ新聞によれば、BNDは昨年秋、自らの調査結果をCIAと共有した。
◇出典
https://www.dw.com/zh/%E5%BE%B7%E5%9B%BD%E6%83%85%E6%8A%A5%E6%9C%BA%E6%9E%84%E6%96%B0%E5%86%A0%E7%97%85%E6%AF%92%E6%9B%B4%E5%8F%AF%E8%83%BD%E6%9D%A5%E8%87%AA%E5%AE%9E%E9%AA%8C%E5%AE%A4%E6%B3%84%E9%9C%B2/a-71913423
https://www.rfa.org/mandarin/zhengzhi/2025/03/12/covid-pandemic-lab-leak/