中国北方地区では冬の石炭が原因の大気汚染で、住民の寿命が南方地区より少なくとも3年短くなっているとのリポートを、米シカゴ大エネルギー政策研究所が11日発表した。米公共放送ボイス・オブ・アメリカ中国語版が13日伝えた。
リポートによると、中国東部で黄河と長江の間を流れる淮河北岸の住民の平均寿命は、南岸より3.1年短い。東北部の重工業都市、ハルビンの平均寿命は南方地区を6.9歳下回る。
リポートは、大気中の微小粒子状物質が寿命を縮める原因で、中国政府が過去数十年、北方地区で行った石炭による集中暖房政策が元凶だと指摘した。
また、11日発行の米国科学アカデミー紀要(PNAS)が掲載した別のリポートも、中国北方の大気汚染濃度が南方より46%高いとの分析を示した。PM10(微小粒子状物質)が1立方メートル中、10μg/m3(マイクログラム/立方メートル)増えると寿命が0.6年縮む。心臓や肺の疾患により死亡率が上がっているとみられる。