習主席が米ソ冷戦の分析指示 中国の孤立

25年3月7日習近平 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは5日、トランプ氏が2024年の米大統領選で勝利後、習近平国家主席が米ソ冷戦の対立構造を分析するよう側近に指示していたと報じた。中国が冷戦期のソ連のように孤立することを懸念しているためという。

 トランプ政権は、中国への対抗を最優先課題としている。中東やロシア・ウクライナ戦争の終結を目指すのも中国への対応に集中するため。パナマ運河の管理権回復も視野に入れているのも中国の影響力を排除するためだ。

 中国は防御的な姿勢を取っており、トランプ氏の再選後、代表団をワシントンに派遣し新政権との合意の可能性を探ったが、関税回避には失敗した。

 米国のシンクタンク「ヘリテージ財団」の中国問題専門家マイケル・ピルズベリー氏は「中国は必死だ」と語る。同氏によれば、中国はすでに交渉戦略が失敗したことを自覚しており、米国の圧力に対抗する方法を模索している。 米国の圧力が高まる中、中国は強気の姿勢を崩していない。最近の関税措置に対し、中国は迅速に報復措置を発表し、2025年の経済成長目標を5%と設定した。中国外務省の報道官は「関税戦争、貿易戦争、いかなる戦争であれ、戦う準備ができている」と強調した。

 トランプ政権は、中国との交渉にすぐには応じない構え。大統領はまずメキシコやベトナムなどと貿易交渉を進め、中国企業が第三国経由で米市場に製品を流すのを防ぐ方針を取った。2月初旬にメキシコとカナダに対し関税を課すと警告した後、メキシコは中国からの輸入に関税を課すと予告した。

 トランプ政権は関税以外の対抗策も準備。中国への投資制限、中国からの投資規制、造船業やハイテク産業への制裁強化などを検討している。

 習近平主席と側近は、米中関係を「ライバルでありながらパートナー」と位置づけようとしているが、トランプ氏の通商政策はそれを容赦なく破壊しようとしている。最近の関税措置は、中国の「様子見戦略」に警鐘を鳴らした。中国はトランプ政権の出方を待っていたが、トランプ氏は一層の圧力をかける姿勢を明確にしている。

◇出典

https://www.wsj.com/world/china/china-trump-trade-war-worries-0c2fa146?mod=Searchresults_pos1&page=1
タイトルとURLをコピーしました