国務院(中央政府)はこのほど、宗教活動を規制する「宗教事務条例」の改正法を2018年2月に施行すると発表した。宗教対立の扇動、屋外大型彫像などの建立、無許可の海外宗教活動参加、宗教学校以外の布教施設の設立を禁じた。専門家からは多様な宗教を1つの法律で規制するのは無理との指摘も出ている。米公共放送ボイス・オブ・アメリカ中国語版が伝えた。
同条例の改正は12年ぶり。新華社は、内外情勢の深刻な変化に対応するためと報じた。習近平国家主席も先に、過激思想の流布を防ぐため、宗教を通じた外国勢力の浸透を防止するよう指示した。
国家宗教事務局の王作安局長は12日、中国共産党機関紙、人民日報に論評を掲載。「一部地方では過激宗教思想がまん延しており新条例の施行は必須だ」と述べた。また、仏教などでの宗教のビジネス化の行き過ぎなども社会問題化しており規制が必要になっていたと主張した。
米パデュー大の楊鳳崗教授は、異なる宗教ごとに別の問題があるのに新条例はあらゆる問題を対象としていると指摘。楊教授によると、例えば宗教のビジネス化は仏教と道教の問題で、条例は大型彫像の建立を禁じた。過激宗教思想はイスラム教に関連する。布教施設の設置禁止は、キリスト教の私設教会を指している。
楊教授は「旧条例と同様、うまく執行できないのではないか」と話している。