全人代開幕後の首相会見見送り 「衰退論」回避目的か

2024年3月6日李首相 台湾の中央通信社によると、第14期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の婁勤倹報道官は4日、北京の人民大会堂で全人代第2回会議が5日開幕後、李強首相の記者会見を行わないことを明らかにした。香港の専門家は「一部の勢力が会見を利用して、中国衰退論を言い立てることを避けるため」との見方を示した。(写真は星島日報のサイト)

 英BBC放送によれば、全人代開幕後の首相会見は、過去30年間維持されてきた伝統だった。BBCの北京駐在の記者は「習近平主席が権力をさらに拡大し、ナンバー2の李強首相の影響力がさらに弱まった」と述べた。

 中国で高官がメディアの取材を受けることが極めて少ない中、全人代での毎年の首相会見は内外から注目されてきた。首相は型通りの回答を行う一方で、予想外の発言が飛び出すこともあるためだ。

 2012年には、当時の温家宝首相が「政治体制改革」を呼びかけて注目を集めた。23年に退任した李克強首相は、中国で6億人が「毎月わずか1000元(約4万2000円)の収入」で暮らしていると指摘しネット上で議論を呼んだ。

 香港メディアの香港電台によると、シンクタンクの全国港澳研究会顧問の劉兆氏は、全人大後の首相会見見送りを肯定。「下心ある人が、中国に不利な情報を言い立てるのをやめさせるためだ。一部の勢力が、中国衰退論を唱えるのを避けるため記者会見は開かない方が良い」と述べた。

◇出典

https://www.cna.com.tw/news/acn/202403040294.aspx

https://news.rthk.hk/rthk/ch/component/k2/1743048-20240304.htm

https://www.bbc.com/zhongwen/trad/chinese-news-68476105

◇参考情報

タイトルとURLをコピーしました