米学術誌にも論文削除要求、学問の自由侵害に批判の声

 米国に本部を置く学会「アジア研究協会」は22日、学会誌「アジア研究ジャーナル」の論文100本のウェブサイトからの削除を中国当局から命じられたことを明らかにした。先に英ケンブリッジ大出版局も、中国政府の要請で同出版局の中国研究誌「チャイナ・クオータリー」論文をサイトから削除するよう求められた。海外の学会からは、研究の自由を侵害するものとして批判の声が上がっている。外電を引用し台湾中央社が22日伝えた。

 アジア研究協会によると、中国国家新聞出版広電総局がケンブリッジ大出版局に対し、同出版局のサイトに公開中のアジア研究ジャーナルの論文を削除を要請した。

 同協会はウェブサイトで「学問の自由を侵害するとして協会幹部は憂慮している。アジア研究協会はケンブリッジ大出版局と中国政府の要請にどのように対応するか検討している」とのコメントを発表した。

 英ケンブリッジ大出版局は、中国当局の要請をいった受け入れ、1989年の天安門事件、文化大革命、チベットの史実に関する「敏感」な論文を削除した。しかしまもなく北京大学深セン匯豊商学院の経済学者、クリストファー・バルディン氏が約300人の署名を集めて抗議したため、再び掲載した。
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