在中国のEU(欧州連合)と米国の商工会議所は9日、声明を発表し、中国当局がコンサルティング会社への取り締まりを強化していることに憂慮を表明した。声明はまた、中国経済に対する投資家の信頼を損ねると指摘した。台湾・中央通信社が9日伝えた。
江蘇省蘇州市の国営メディアは9日、同市内のコンサルティング会社、米キャップビジョンの拠点が「反スパイ法」違反で捜索を受けたと報じた。中国当局は3月と4月にも、コンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニーの上海事務所と、信用調査会社の米ミンツ・グループの北京事務所を家宅捜索し、ベインでは職員が拘束された。
中国当局は3月、日本のアステラス製薬の日本人社員も反スパイ法違反容疑で拘束。半導体大手の米マイクロン・テクノロジーに対しても、国家の安全に係わる容疑で捜索を行った。
蘇州市の国営メディアは、中国当局が「反スパイ法」などを根拠に、コンサルティング会社による敏感情報とデータの違法収集・送信など国家の安全に危害を与える行為に対し、取り締まりを強化していると伝えた。
EU商工会議所は声明で、中国当局の相次ぐ取り締まりについて「中国で事業を行う外国企業は、不確実性を感じている」と指摘。在上海の米商工会議所のトップは「捜査が適切に行われないなら、外国企業は中国で新たな投資ができない」と述べた。
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