中国メディアの中国新聞網によると、全国人民代表大会常務委員会は26日、「反スパイ法」改正案を可決した。改正法はスパイ摘発の対象を拡大し、国家の安全に係わる文書やデータの提供、国家機関へのサイバー攻撃などをスパイ行為に含めた。7月1日から施行する。
改正法は、スパイ取り締まりの捜査方法も拡大。「調査・処理」の一章を設け、データの閲覧収集、出頭要請、資産情報の照会、出入国禁止命令などを当局の職権として定めた。また、スパイ取締活動を行う人員に対する「保障と監督」の章を置き、保護や救出、補償、研修などを行うとした。
27日付米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、改正法により、中国で活動する外国企業のリスクが上昇すると報じた。複数の外国企業幹部は「摘発対象の拡大と取り締まり権限の強化により、日常的な交流が国家の安全を害する行為に変わった。中国の外国企業は、事業環境が悪化すると考えている」と述べた。
在中外国企業幹部は、改正法により中国当局が、外国企業の設備や電子機器とともに、疑いを持たれた個人のスマートフォンなどのデジタル機器の捜査が可能になったことを憂慮している。
外国企業幹部はまた、スパイ活動の摘発範囲が拡大したことで、市場や競争相手、ビジネスパートナーに関する情報収集も「スパイ活動」とみなされる可能性があると懸念している。
◇出典
http://www.chinanews.com.cn/gn/2023/04-26/9997240.shtml
http://www.chinanews.com.cn/gn/2023/04-27/9997802.shtml
https://www.wsj.com/articles/chinas-expanded-spy-law-adds-to-chilling-effect-of-detentions-ce8cea1a
https://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/junshiwaijiao/kw-04272023125613.html
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