DRAMを生産する華亜科技(イノテラ)は、全株式を米半導体製造会社、マイクロン・テクノロジー社に買収され、12月に上場廃止になります。
華亜科技は、米マイクロン・テクノロジーと、台湾塑膠工業(台湾プラスチック)グループの南亜科技との合弁会社。南亜科技は、華亜科技の株式をマイクロンの売却した後、マイクロンの株式10%を第三者割当増資取得して、最大株主になるそうです。
7日の風伝媒によると、華亜科技と南亜科技にとり、経営上は大喜びの出来事なのですが、台湾のDRAM製造はついに終えんとなります。
台湾にはもともとDRAM工場が4社ありました。エルピーダ系の2社と華亜科技傘下の2社です。いずれもマイクロンに統一されてしまったことになります。
市場調査会社の集邦科技(トレンドフォース)傘下のトポロジー・リサーチ・インスティチュートのアナリストは「台湾のDRAM産業はとっくに競争を諦めていた。カギとなる技術開発をしていなかったからだ」と話しています。
DRAMは、スマートフォンでもパソコンでも、演算や画像処理装置用の基幹部品の一部として使われているそうです。しかし、台湾メーカーは受託製造ばかりで、独自の技術がないため、主要部品メーカーと協調して新しい製品を開発する力をついに持てなかったとのことです。
DRAM市場は今後、台湾勢が一線から離れたことで、米国、中国、韓国勢の戦いになるそうです。