国際刑事警察総会、台湾代表招かず、中国が圧力か

 台湾外交部は5日、国際刑事警察機構(ICPO)はインドネシア・バリ島で7日開幕する総会に台湾代表を招かなとする通知を受けたと発表しました。同部は5日、強い遺憾の意と、不満を表明しました。中央社が5日伝えました。

 

 台湾は1984年にICPOを脱退後、今年初めて、オブザーバーとして参加することを目指していました。

 

 外交部は「犯罪取り締まりに国境はない。オブザーバーの資格でICPOの総会に参加することは、政治には関わりがない。他国の警察と連携し、世界の組織犯罪、サイバー犯罪、国際犯罪、反テロなどの分野で貢献できることを望んでいる」と話しています。

 台湾が総会出席を断られた背景には、中国の圧力がありそうです。

 

 6日付自由時報によると、中国の対台湾政策を管轄する国務院台湾事務弁公室(国台弁)の馬暁光報道官は、台湾がICPO総会への出席を断られた問題で質問を受けた際、「皆が知っている原因のためだ」と答えました。

 

 馬報道官の答えは、92コンセンサスを巡る意見対立から、中台の公式の交流が断絶していることが背景にあることを示唆しています。

 

 台湾の李大維外相も、中国の圧力が原因かと尋ねられたのに対し「かなりはっきりしている」と述べたました。ICPOの来年の総会は北京で開かれるため、台湾の出席はさらに難しくなりそうです。

 

 最大野党国民党の陳学聖・立法委員(議員)は「予想されたこと。両岸(中台)関係が冷え込めば、台湾が国際機関に参加できないことは、考えれば分かること。これが両岸の現実であり、世界の現実だ」と語っています。

 

 台湾は今年9月、カナダで開かれた国際民間航空機関(ICAO)総会への出席を拒否されました。この際も、中国国台弁の馬報道官は台湾がICAOの総会に出席できないのは「完全に民進党当局のせいだ」と述べました。

 

 馬報道官は、台湾が92コンセンサスを承認しないため、中台の対話が中断し、今年の総会出席がでできなくなったと指摘しています。

 

(参考)http://www.cna.com.tw/news/firstnews/201611050043-1.aspx

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