日中防衛当局者、「海空対話メカニズム」構築で意見交換

 シンガポールで6月2~4日開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)に合わせ、防衛省統合幕僚監部の住田和明副長と中国代表の中国軍系シンクタンク、中国軍事科学院の何雷副院長が4日会談し、「海空対話メカニズム」構築などで意見交換した。何副院長が日本側に柔軟な立場で応じるよう求めたのに対し、住田副長は「双方が努力すれば達成できると信じている」と応じたという。中国紙・環球時報を引用し中央社が4日伝えた。

 何副院長は「中日関係は最近改善がみられるが、脆弱で複雑な基本面は変わっていない。日中関係が正常な発展の軌道に乗るまで道は遠い」などと指摘。日中防衛当局の関係改善の努力を続けるべきだとした上、「海空対話メカニズム」構築を中国側が重視していることを指摘した。

 住田副長は「安定した日中関係はアジア太平洋の安全にとり極めて重要。両国の防衛当局は各レベルでの交流拡大、特にハイレベルでの交流強化は、両国の関係改善に積極的な役割を果たす」と指摘し、同メカニズムの構築が重要との考えを示したという。 日中海空対話メカニズムは、中国軍と自衛隊の連絡・意思疎通の強化、危機管理、誤解や誤判断の回避、不測の事態の回避が目的。長年にわたり数回の話し合いが行われたが、合意に至っていない。
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