北朝鮮「レッドライン超えた」と中国を名指し批判、「中朝関係理由に核兵器放棄しない」と言明

 

(BBC中国語版のキャプチャー)

北朝鮮の朝鮮中央通信は3日、北朝鮮への制裁と圧力を強める中国を「両国関係のレッドラインを既に超えた」として、名指しで批判する評論を掲載した。評論はさらに「朝中関係と核兵器を取り引きすることはない」、「朝中関係のため核兵器開発を放棄することはない」と述べた。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

 評論は「レッドライン」について「相手側の尊厳を重んじ、自主権の利益と自主権を侵さないこと」と説明。北朝鮮にとって「核兵器は尊厳であり、力であり、最高の利益」であるのに、中国は欲しいままにレッドラインを踏み越えていると批判した。

 中国の政府系メディアの人民日報や環球時報の報道を取り上げ、中朝関係の悪化の原因をすべて北朝鮮に押し付け、米国とともに踊るという卑劣な行為の口実にしていると非難した。

 評論はさらに、中国が北朝鮮への制裁を強化していることについて「制裁を強めれば、朝鮮が助けを求めたり、投降したりすると考えるのは純朴過ぎる」とした上、「中国は朝鮮の忍耐の限界を試してはならない。冷静に現実を見つめ、正確な戦略を取るべきだ」と警告した。

 評論はこのほか、2015年9月、中国が抗日戦争勝利70年を記念して行った軍事パレードに韓国の朴槿恵前大統領を招待したことも「卑劣な行為」としてこき下ろした。

 韓国・東国大学の金榕炫教授は「中国を攻撃することで、米中の対北朝鮮の共同戦線を破壊することが目的とみられる」と述べた。金教授は一方で、論評が社説でなく、「金哲」という個人名で発表されたことは、中国への批判を抑制していることの現れだとした。

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