米国亡命中の中国の実業家、郭文貴氏が19日、米公共放送ボイス・オブ・アメリカの取材を受けた際、中国政権内の内紛を暴露した。習近平国家主席からの間接的な指示で、公安部次官が王岐山・中国共産党中央規律検査委員会主任らの汚職に関し、情報提供を命じられたなどとする内容だった。(写真は、ボイス・オブ・アメリカのキャプチャー)
王主任は、習主席の右腕として、汚職取締活動を指揮している。また、司法部門を統括する党政法委員会トップの孟建柱書記についても同様の指示を受けた。郭氏によると、習主席は両人を信用していないという。
放送は生放送だったが、局側の判断で一時、放送が中断した。ボイス・オブ・アメリカは、中断の理由を明らかにしていない。
香港蘋果日報によると、郭氏は、複合企業、北京政泉控股の実質的なトップ。党中央規律検査委員会は2013年、情報機関、国家安全部の前次官への贈賄の疑いで郭氏の取り調べをしようとしたが、郭氏は香港経由で海外に逃亡した。中国は、国際刑事警察機構を通じ、郭氏を指名手配した。
郭氏は現在、米国か英国に滞在中。両国は中国と犯罪人引渡し条約を結んでおらず、送還の義務はない。
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