新香港行政長官に林鄭氏、社会の分裂回避が課題

 香港政府トップの行政長官選挙が26日投開票され、前政務官の林鄭月娥氏が777票で当選した。女性の行政長官は初めて。行政長官は業界ごとに選ばれた定数1200人の選挙委員会の投票で選ばれ、中国の干渉で選挙結果が民意を反映していないとの批判がある。林鄭氏は「就任後最初の任務は社会の分裂を修復し、わだかまりを解くことだ」と述べた。香港紙・明報が伝えた。

 選挙は選挙委員会のうち1186人が投票し、林鄭氏が親中国派の政財界人の支持を固め65.5%を獲得した。民主派の支持を集めた前財政官の曽俊華氏は365票、元裁判官の胡国興氏は21票にとどまった。

 林鄭氏は就任後、立法会(議会)各派議員との意見交換のための常設機関を設置する考えを示した。民主派は常設機関については、当初は参加せず見守る考え。

 米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、香港理工大学社会政策センターの鐘剣華主任は「約1200人の選挙委員会は、大部分が親中国派で、中国の支持があれば当選に問題はなかった。しかし林鄭氏は就任後、民主派の反対に遭うのは確実で、政権運営は順調にいかないだろう」と述べた。

(参考)明報

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