中国政府が、四川省カンゼ・チベット族自治州で、パッテリー素材、リチウム開発で深刻な環境汚染が起きているとして、地元のチベット族住民らが反発している。開発が中国の水源地だけでなく、南アジアの環境を脅かす恐れも指摘されている。米国の報道を引用し、米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。
26日付米紙ワシントン・ポストによると、中国当局は同自治州でリチウム188万7000トン埋蔵量を確認し、開発を進めている。現地の牧畜民は「鉱物資源の開発で、深刻な水と土の汚染が起きている。川に魚がいなくなった」と話している。
ドイツ在住のモンゴル族の人権活動家は「カンゼ・チベット族自治州の環境汚染は、中国各地で起きている汚染の縮図だ」と話している。
同州を含めチベット族が暮らす「青蔵高原」は、中国2大河川の長江、黄河の水源地。ここの環境汚染は中国の水資源全体に影響する。また、鉱さいダムから汚水が漏出すれば、各河川下流域のインドやバングラデシュにも被害を及ぼす恐れがある。
(参考)http://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/shaoshuminzu/hc-12262016100228.html