中国中央テレビ局の24日の報道によると、上海市と湖南省の病院6カ所の医師が、医薬販売会社から販売価格の30~40%をリベートとして受け取っていた疑いが高まり、当局が医師に対し調査を始めた。英BBC放送中国語版が26日伝えた。
中国の医療・保健システムは、病院の過重負担、汚職、患者と病院間の争いなどの問題に悩まされてきた。中国政府も同システムの改革に取り組んでいる
業界関係者によると、医薬品の販売額が増えるほど、リベートの余地が拡大するため、医師による薬品の処方量が増えている。
中国最大の医薬品の集散地、安徽省太和県では、内外の製薬会社約4000社が生産する医薬品2万5000種類が売られている。ここでの販売価格は、中国の大都市の病院による購入価格を大幅に下回っている。
国務院(中央政府)の専門家によると、医薬品が製薬会社から医療機関に納入されるまでの間、価格の水増しが行われている。政府は、医薬品でなく医療サービスにより公立病院の収入増加が図れるよう、改革を急いでいる。
医療関係者は「医薬品価格が高いのは、医師や病院でなく、政府が定めた医薬品調達の入札制度に問題がある」と指摘している。
別の関係者は「中央テレビ局の報道は危険だ。医師と患者の争いの火に油を注ぐことになる。刃物で切られる医師が増えるだろう」と話している。