米国防総省筋によると、トランプ米次期大統領と台湾の蔡英文総統が2日電話で会話したことに反発し、中国空軍が8日、南シナ海で中国が主権を主張する独自の境界線「九段線」に沿って爆撃機6機を飛行させた。中国はさらに最新式のミサイルを南シナ海に配備する準備を始めた。外電を引用し台湾中央社が12日伝えた。
米FOXニュースによると、中国が九段線沿いに爆撃機を飛行させたのは2015年以来3月以来。途中、戦闘機による護衛を受けた。
中国軍は9日にも、軍用機多数を沖縄本島と宮古島の間の公海上空を経て西太平洋まで飛行させ、「定例の遠洋訓練」を行った。米政府筋は、この動きも米国の新政権に対する意思表示とみている。
中国紙、環球時報によると、中国海軍軍事学術研究所の張軍社研究員は「中国海、空軍が宮古、バシー両海峡を通過して西太平洋で訓練を行うのは、近年、常態化している。『第一列島線を突破』なる言い方はありえない」と述べた。
張研究員によると、第一列島線の考えは、冷戦時代、中国と旧ソ連を封じ込めるため米国が考え出した。張研究員は「日本の一部勢力が、米国と連携して中国の軍事力を第一列島線内に封じ込めようと妄想している。ばかげた考えだ」と話している。