中国北京をしばしば覆うスモッグに、抗生物質が効かない「スーパー耐性菌」が含まれており、感染すれば有効な治療薬がないとする内容のリポートを、スウェーデン・ヨーテボリ大研究センターのヨアキム・ラーション主任の研究チームがまとめ、国際科学誌「マイクロバイオーム」に発表した。香港メディア、風向新聞が伝えた。
研究チームは、抗生物質耐性菌と関連のある遺伝子を捜すため、ヒト、動物、環境からＤＮＡのサンプル864件を集めて分析した。その結果、抗生物質に耐性を持つ遺伝子の種類は、北京の大気中の微生物が最も多かった。
北京市中心部で採取した大気のサンプル14件中、抗生物質に耐性を持つ遺伝子の種類は平均64．4種類で水や泥を上回った。
北京市衛生計画生育委員会は「細菌の耐薬品性と病原性は別の概念。耐薬品性が増せば、病原性が高まる訳ではない」と指摘。ヒトは免疫力を備えているので、慌てる必要はないと話している。