太湖の水質汚染極めて深刻、中央査察チームが指摘

 香港でダイオキシンに汚染された上海ガニが見つかり、環境汚染に対する世論の関心が高まる中、中央政府が派遣した環境査察チームがこのほど、江蘇省の太湖と長江の水質汚染が極めて深刻であることを指摘した。香港蘋果日報などが17日伝えた。

 環境査察チームは「中央環境保護督察組」と呼ばれ、共産党中央と国務院(中央政府)の承認を得て8組編成され、今年7月半ばから1カ月、各地で査察を行った。江蘇省は第三中央環境保護督察組が担当した。

 第三組によると、太湖に流入する河川15本のうち、2015年はチッ素は10本、リンは9本が国の環境基準を満たしていなかった。周辺に家きん養殖場最低が約9000カ所あるが、3分の1が汚染防止設備を備えていなかった

 長江の江蘇省の流域も汚染が深刻で、昨年は支流41本のうち、地表水の水質基準で5段階で最低の「劣5類」に属する川が2割を超えた。また、長江の水源保護区には、違法な化学工場、水産養殖場、造船所などが多数作られている。

 太湖周辺で活動する環境保護活動家、呉立紅氏によると「政府は小さい環境汚染事故ばかり公表し、大きなものは隠す。本当のことを語れば投獄されていまうと話している。呉氏も環境汚染を暴露して3年間、入獄していた。現在も政府の監視下に置かれている。

 香港では今月、江蘇省の上海ガニから、基準を超えるダイオキシンが検出された。湖北省産からも見つかったが、実際には江蘇省産で、産地を偽装したものと見られている。

 

(参考)http://hk.apple.nextmedia.com/news/art/20161117/19836654

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