河南省都、鄭州市の近郊、新鄭市で5日、違法建築の撤去をめぐり、反対する民衆と警官隊が激しく衝突した。双方にけが人が出たもようだ。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が6日伝えた。
中国のメディア関係者によると、新鄭市龍湖鎮(町)政府が2日、鎮内の張溝村で違法建築の工場建屋の撤去などを要求。5日、警官隊数百人が見守る中、作業員が取り壊しを始めた際、民衆が激しく抵抗した。民衆十数人が拘束されたという。
龍湖鎮によると、人工衛星写真から鎮内の違法建築が余りに多いことが分かり、省の規則に従い撤去することにした。
住民によると、張溝村は1980年代は石炭採掘で栄え、富裕な村として知られた。しかし、環境汚染で農地の耕作が不能になった。住民は農業をあきらめ、農地に工場を建てて貸し出し、賃貸料収入で生活している。工場は違法建築だが、住民は生活のため撤去に抵抗している。
また、龍湖鎮では、石炭採掘による地盤沈下で家屋の損壊も起きている。炭鉱が支払った賠償金は、龍湖鎮政府が流用し、住民は受け取っていないことも、反発の背景にあるという。
(参考)http://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/renquanfazhi/ql2-10062016103832.html