香港の雨傘運動指導者、タイ当局が12時間拘束し送還

 2014年の香港の街頭占拠デモ「雨傘運動」を主導した学生団体のリーダーの1人、黄之鋒氏(19)が4日夜、タイ・バンコクのスワンナプーム国際空港に到着後、タイの出入国管理部門に約12時間拘束された上、香港に送還された。香港紙・明報が伝えた。

 タイ当局は、黄氏は国の安全に脅威を与えるなど、入国管理条例に違反したと書面で通知した。タイ軍事政権トップのプラユット・チャンオチャ首相は「中国の事件であり、中国政府の要求で黄氏を送還した」と述べた。

 香港の新政党「香港衆志」の主席で、香港立法会委員(議員)の羅冠聡氏は、香港市民の海外での基本的人権を守るため、タイ政府に申し入れを行う、香港政府に求める考えを示した。黄氏は、香港衆志の事務局長を務める。

 英BBC放送中国語版などによると、黄氏は、1976年にバンコクで起きた学生運動の40周年記念行事に招かれていた。香港衆志の周庭副事務局長は「今回の事件は、中国が急速に影響力を拡大していることを示している。中国は、香港の市民社会が外国と連絡し合うことを恐れている」と述べた。

 黄氏は昨年5月、マレーシアの市民団体に招かれてペナンを訪れた際も当局に入国を断られた。黄氏は当時「自分の訪問が、中国・マレーシアの関係やマレーシアの治安に影響を与えるとは思わない」と話している。

  2014年9月末に起きた「雨傘運動」は、79日間にわたって道路の占拠を続けた。事件の初日、参加者多数が雨傘を手に持ち、警察が発射した催涙スプレーや催涙弾を防ごうとしたため、運動の名前となった。

 

(参考)http://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20161006/s00001/1475690801154

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