四川省の成都双流空港の保安検査場で、人体の検査機にX線が使われていることが分かった。機械の目立つ場所には、被ばくへの注意を呼び掛ける表示はない。南方医科大学の馬建華教授は「これらの設備は、成都双流空港以外でも使われている。放射線量は最低でも、影響は累積する。警告を表示するべきだ」と話している。南方都市報が29日伝えた。
広東省広州市在住の女性によると、同空港の人体用検査機は広州のものと異なる。乗客は約2メートルのベルトコンベアに立たされ、検査機の前まで次々に運ばれる。女性は検査後、ネットの書き込みでX線検査機を通過したことを知った。女性は「妊娠していたら、胎児に影響がある。空港ははっきり知らせるべきだ」と語った。
同空港の保安検査場には、係官による検査コーナーもあるが、妊婦などへの誘導はないという。
検査機は、保安検査設備メーカーの安徽啓路達光電科技(本社・安徽省合肥市)が製造した「神槍」シリーズの1つ。同社によると、成都双流空港の検査機にはX線が使われている。ただ、放射線量は0.05マイクロシーベルト(μSv)~0.2μSvで、世界で最も厳しい米国の基準を下回るという。
「神槍」シリーズの保安検査機は、同空港のほか、成都駅、重慶駅、昆明駅(雲南省)、河南省高級人民法院(裁判所)、広東省高級人民法院などでも使われている。