米国の損害保険会社4社が8日、米国で販売された除湿機約200万台に発火の恐れがあり、数十億米ドルの損害を発生させる可能性があるとして、中国のエアコン製造大手、珠海格力電器股フェン有限公司(本社・広東省珠海市)に対する懲罰的な損害賠償など求めて提訴した。米公共放送ボイス・オブ・アメリカ中国語版が14日伝えた。
訴状によると、格力電器は除湿機のプラスチック製部品が運転の際発生する熱に耐えられず、米国の第三者安全研究機関ULの耐燃性試験に合格できないことを知りながら製品の販売を続けた。また、OEM(相手先ブランドによる生産)元の米ゼネラル・エレクトリック(GE)が2011年、格力電器に、ベアリングをもっと高位の製品に取り替えるよう求めたが、実行しなかった。
格力電器は、除湿機の欠陥を知りながら販売を続け、2013年になってようやく、米消費者製品安全委員会の規則に基づきリコール(回収・無償修理)を始めた。
同委員会によると、格力電器は今年3月、米政府との訴訟で和解に応じ、罰金1545万米ドルの支払いに同意した。ただ、格力電器は▽製品の欠陥により人身を傷つける恐れがあるとのリポートを提出していなかった▽耐燃性がULの基準を満たしていないのに、商品に合格証を貼り付けていた――との同委員会が指摘する責任を認めていない。
格力電器が製造した問題の除湿機は、GEなどのブランドで2005年から13年まで、米小売り最大手のウォルマートなどで250万台が売られた。
訴状によると回収されたのは24万台で、なお226万台が米国の家庭で使われているとみられる。除湿機は発火のほか、煙による損害も発生させる恐れがある。
提訴した保険が会社は、既に損害を受けた市民に代わり賠償を求めているほか、過失や詐欺的な販売などを理由に懲罰的な損害賠償を行うよう求めた。
(参考)http://www.voachinese.com/a/gree-20160914/3508598.html