オーストラリア国会図書館がこのほど、自国に対する中国の投資に警戒を呼び掛ける内容のパンフレットをまとめた。中国による「合法的利益」の主張や、オーストラリアに対する投資に、議員がもっと関心を向けるよう求めている。海外の中国語ニュースサイト、博聞社が8月31日伝えた。
パンフレットは、中国が国策で進める、欧州までを海陸2ルートで結ぶ一帯一路(新シルクロード)構想について、中国主導でユーラシア大陸をまとめる動きで、米国に対する懸念が背景にあると指摘した。また、オーストラリア北部に対する中国の投資を取り上げて、注意を呼び掛けた。
パンフレットは205ページで党派性はなく、議員が討論する際のガイドブックとなる。執筆した研究員の1人は「一部では(中国のやり方を)、現在の世界政治と経済の現状に対する根本的な挑戦とみている。オーストラリアは、経済と戦略の分野において、中国との関係をどのように発展させるかを、より賢明な態度で決める必要がある」と指摘した。
オーストラリアのモリソン財相は8月11日、国家の安全保障を理由に、電力企業オースグリッドの売却で中国と香港企業各1社の入札参加を拒否した。