山東省青島市の税関はこのほど、タラバガニやホタテガイなど日本産の高級水産物約5000トン、2億3000万元(約35億円)相当をベトナムを経由し密輸入したとして、14人を拘束した。23日付斉魯晩報が伝えた。
中国中央テレビ局によると、密輸水産品には中国で輸入が禁止されている福島県産の水産物が含まれていた。同局は、密輸水産品は輸入検疫を受けていないため、放射性物質による汚染や、病原菌付着の恐れがあると報じた。青島税関の係官は「人の健康に深刻な影響を及ぼす恐れがある」と語った。
福島県などの調査では、同県沖の海水と海産物の放射能レベルは、2011年3月の福島第1原発事故前とほぼ同程度に下がりつつある。
密輸水産品はベトナムに運ばれ、地元民向けの無関税の国境貿易を通じて中国国内に持ち込まれていた。山東省の水産品貿易会社の社長が、米国から密貿易を指揮していた。
密輸水産品は、北京、上海、広州などの水産品市場に流入していた。