南シナ海判決に軍部が不満、米と同盟国へ強硬論

 南シナ海の領有権を巡り、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が7月12日、「九段線」など中国の主張を退ける判決を出したことに、中国軍部が不満を高めており、米国とその同盟国に強硬な対応を行うべきだとする声を上げている。ドイツの国際公共放送ドイチェ・ベレ(DW)中国語版が伝えた。

 中国政府は、仲裁裁判が法的根拠のない茶番劇で、米国の中国に対する陰謀だとして、判決を強く批判。市民の一部に民族主義的感情が高まり、政府系メディアが強硬論を唱えた。しかし、中国政府はこれまでのところ、強硬策は何も行っておらず、むしろ平和的な解決を呼び掛けている。

 しかし、消息筋によると、自信を深めている中国軍部の一部は、米国と同盟国に強硬策で応じるべきだ主張している。中国軍部に近い消息筋は「解放軍は準備を終えており、出撃するべきだ。1979年の対ベトナム戦争と同じく、鼻血が出るほど彼らを殴るべきだ」と述べた。

 中国指導部に近い消息筋は、中国軍部の雰囲気を「タカ派」と形容した上「軍部全体が強硬化している。(判決により)非常にメンツが傷つけられた。われわれはやるべきことをなすべきだ」と語った。ただ、やるべきことの中身には触れなかった。

 この消息筋は「戦争はないだろう。しかし、中国が軍事演習を続け、米国が軍艦によるパトロールを続ければ、間違いが起きる可能性はある」と語った。

 

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