南シナ海「九段線」否定の裁定、中国実力で主権誇示

 南シナ海への中国の海洋進出を巡りフィリピンが提訴した裁判でオランダ・ハーグの仲裁裁判所は、中国が管轄権の根拠とする「九段線」には国際法上の根拠がないとの裁定を言い渡した。中国政府は12日、南沙(スプラトリー)諸島で小型機を離着陸させたり、新型ミサイル駆逐艦の就役式を行い、実力で主権を誇示した。米公共放送ボイス・オブ・アメリカ中国語版が13日伝えた。

 中国国営新華社通信は13日、裁定が出たことを簡単に報じたが、具体的な内容は伝えなかった。裁定書の中国語訳は、中国内では閲覧できなくなっている。英BBC放送の現場中継報道も、中国では遮断された。

 中国の王毅外相は「裁定は法の衣をまとった政治的な茶番劇だ。中国の合法的な権益を侵している」と批判。外交部の陸慷報道局長は「中国は裁定を受入れず、認めない。フィリピンの違法な訴えに基づいており、無効だ」と述べた

 中国国防部の楊宇報道官は「裁定結果は、中国の南シナ海の権益に影響を与えない。中国の軍隊は、断固として国家主権を守る」と語った。

 中国政府は裁定が出た12日、「中国民航飛行点検センター」の小型機「セスナCE680」が南沙諸島の美済礁(ミスチーフ礁)、渚碧礁(スビ礁)に中国が建設した飛行場で離着陸を行った。また、中国の政府系メディアは12日、最新鋭のミサイル駆逐艦「銀川」の就役式が海南省三亜市の軍港で行われたと報じた。ともに、実力を誇示する目的があったとみられる。

 中国の一部メディアは、日本の柳井俊二・元駐米大使が仲裁裁判所の裁判官であるとして、裁定の不公正さを強調した。ただ、柳井元大使は、仲裁裁判所とは別の機関で、ドイツにハンブルグにある国際海洋法裁判所の裁判長で、中国メディアのオウン・ゴールだった。ハーグの仲裁裁判所に日本人裁判官はいない。

 

(参考)http://www.voachinese.com/a/news-south-china-sea-arbitration-between-china-and-philippines-became-a-political-farce-in-china-20160712/3415338.html

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