中国共産党のイデオロギー担当部門が、世論操作を強化するため、インターネット上の言論を監視する「ネット評論員」と呼ばれるボランティアを正規組織に再編する計画を進めていることが分かった。党・政府の中央機関内でもやり過ぎとして疑問の声も上がっているという。海外ニュースサイトの博聞社が伝えた。
「ネット評論員」は、ネット上の書き込み1回につき5毛(0.5元=約7.6円)の報酬を当局から与えられるため「五毛軍」とあだ名されている。
習近平国家主席は、2013年の就任直後からインターネット上の世論への懸念を表明。「中央インターネット・情報安全指導チーム」を結成し自ら責任者に就き、巨額の資金を投じて関連の機器、ソフトウエア、人材の充実を急いできた。現在、県レベル以上の党機関にはネット担当部署が設置されている。今後は、「ネット評論員」の組織化に取り組む。
内部情報によると、党のイデオロギー担当部門は、統一的な計画に基づき「ネット評論員」を軍隊同様にに全国に配置。軍の所在地には必ず、「ネット評論員」の機関を設置する計画だ。
米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、「五毛軍」の大半は大学生で、全国に1050万人いると推定されている。世論操作のため、意見の書き込みや転載を行っているもようだ。