江蘇の中学で493人が体調不良、隣接地に化学工場跡

 江蘇省常州市の中学校「常州外国語学校」で、生徒641人が体の不調を訴え病院で診察を受けたところ、493人から皮膚炎、気管支炎、白血球の減少などの異常が見つかった。中には悪性リンパ腫や白血病の診断を受けた生徒もいた。保護者は、近隣の化学工場による環境汚染が原因とみている。中国中央テレビ局が17日伝えた。

 同校が2015年9月、現在の校地に移転後、12月末から頭痛や皮膚の発疹などの異常を訴える生徒が出始め、転校する生徒もいたため、学校が生徒に診察を受けさせた。

 保護者によると、校地の北隣に以前、化学工場3社があり、汚染物質を工場敷地内に埋めたため、環境汚染が起きた疑いがある。工場の元工員も、劇毒物を密かに埋めていたことを認めている。 地元政府は、化学工場跡地の環境修復を行い、商業地として開発する計画を進めている。ただ、跡地の環境影響評価リポートによると、地下水と土壌を調べたところ、除草剤の原料となるクロロベンゼンの濃度が基準の9万倍に達していた。

 学校建設前、当局に提出された環境影響評価報告書は、除草剤など農薬に関する項目がなく、校地建設を環境修復完了後に行うよう求める記述がないなど、重大な欠陥があった。また、学校建設は同報告書が受理される7カ月前から始まっていた。

 生徒が入学した15年9月は、化学工場跡地で修復の最中で、有毒化学品にさらされていた恐れがある。

(参考)http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1457438

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