各国首脳や著名人がタックスヘイブン(租税回避地)を利用している実態を暴露した通称「パナマ文書」について、中国当局は4日、ウェブサイトなどへの関連情報の掲載禁止を通達した。同文書には、習近平国家主席や中国共産党政治局常務委員ら中国最高指導部のメンバーの名前も登場する。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。
中国外交部の洪磊報道部長は5日、定例会見で
同文書について質問を受けがたコメントを拒否。「あやふやなことに対し、われわれは論評しない」と述べた。
アイスランドでは資産を隠したとされるグンロイグソン首相に対し、多数の市民が5日、首都レイキャビクの国会前で抗議デモを行い、辞任を要求した。ロシアのプーチン大統領ら、各国の指導者らが、同文書が原因で世論の批判の渦に巻き込まれている。
中国のメディア関係者の1人は「このニュースは国際的な関心事だが、中国では何も見られない」と話す。中国共産党中央宣伝部と中国国家インターネット情報弁公室が4日午後、ネットを含む中国のメディアに対し関連の情報を報じないよう通達。掲載済みの情報については、削除を命じたという。
この関係者によると、パナマ文書は、習主席のほか、現役と引退した政治局常務委員6人の親族の名前が出てくるが、中国では全く報道がなく、既に報道された外国高官のニュースも削除された。
また、ネットユーザーが関連情報を散布しないよう、新浪や騰訊など8大ポータルサイトでは「パナマ」が「敏感語」に指定され、検索しにくくなっている。関連情報の削除や隠ぺいも進められているが、情報が多過ぎて完全には対応できていないもようだ。
(参考)http://boxun.com/news/gb/china/2016/04/201604050700.shtml